🔷この記事のレベル
| 初心者 |
| 重要度 |
| 難しさ |
ユーザーが入力したテキストに対し、人間のように自然な言語処理を行えるAIとして、大きな話題となっているChatGPT。
GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略で自然言語、つまり普通の話し言葉でAIとやり取りできることが特徴です。
これまでにも、対話型AIは各社からリリースされていましたが、ChatGPTの精度や柔軟性は突出しており、社会変革をもたらす可能性も示唆されています。
今後の動向も注目されるChatGPTについて、本記事では概要からメリット・デメリット、基本的な使い方、企業の活用事例まで網羅的に解説していきます。
大学院修士課程卒業後、日系大手IT企業でシステム開発に取り組む、AIオタクのリタです。
✔ ChatGPTとは？
✔ ChatGPTが注目される理由と背景
✔ ChatGPTのメリットとデメリット
それでは、どうぞご覧ください。
ChatGPTとは？
ChatGPTとは、ユーザーがテキストベースで入力した文章に対し、あたかも人間と話しているかのような、自然な回答をAI（人工知能）が返すチャットサービスです。
AIを研究するアメリカの非営利団体「OpenAI」よって、2022年11月末に公開されて以来、その精度の高さからChatGPTはアメリカを中心に世界中の注目を集め、利用ユーザー数は現在も伸び続けています。
大手金融機関UBSの調査結果によると、2023年1月時点におけるChatGPTの月間アクティブユーザー数は1億人に達したようです。
「歴史上もっとも急速に成長している消費者向けアプリ」って言われているよ。
日本語での利用は？
残念ながら、ChatGPTを利用するには、現時点では海外向けのブラウザ環境しか用意されておらず、日本語版のアプリや言語設定機能などはありません。
ただし、海外向けであっても、日本語で質問すれば自然な日本語の回答が返ってくるので、問題なく利用できます。
どうしても日本語で使いたい！って人は以下の記事を見てね。
ChatGPTの料金
ChatGPTはOpenAIのアカウントを作成すれば、基本的に無料で利用可能です。
一方で、「ChatGPT Plus」という月額20ドル（約2,700円）の有料プランも用意されており、加入することで下記をはじめとする、複数の特典を受けることができます。
- GPT-4（新言語モデル）の利用
- 回線混雑時における利用の優先権
- 返答スピードの向上 etc…
ChatGPTは無料アカウントの登録で誰でも利用できる反面、大量のトラフィック処理でサーバーに負荷がかかり、テキストを入力しても返答がないという事象が多く発生していました。
こうした背景から有料プランが登場し、加入ユーザーは優先的にサービスを利用可能となったようです。
GPT-4気になるけど、僕に使いこなせるかなあ…
十分な機能は無料プランに備わってるから、不便を感じてからでもいいと思うよ
でも、ビジネスで活用するなら、効率的かつストレスフリーな有料プランをおススメします
ChatGPTが注目される背景や理由
次に、ChatGPTが注目される背景を見ていきましょう。
情報量の多さ
ChatGPTの頭脳ともいえる豊富な情報源は、インターネットです。
具体的にはWebサイト・ニュース記事・書籍・論文などのテキストデータであり、膨大なデータを学習しているからこそ、ユーザーの質問に対して的確に返答することができるのです。
どれくらい凄いの？？
アメリカの医師資格試験や日本の司法試験であれば、合格できるレベルみたいだよ。資格学習支援にChatGPTをうまく活用できれば、革新的なサービスも生まれるかもね。
柔軟性の高さ
ChatGPTと類似したプログラムとして、人工知能を活用した自動会話プログラム「チャットボット」が、近年多くの企業で導入されています。
チャットボットもChatGPTと同様の仕組みで、ユーザーからの質問に対してプログラムが人間の会話を模倣し、LINEのようにやりとりを行うことができます。
高度なチャットボットに関しては、人工知能を基にプログラムされていますが、基本的には設定された範囲内でしかユーザーに返答を行えないのが特徴です。
一方で、ChatGPTは膨大な学習データを基としているため、質問が曖昧であってもユーザーの意図を汲み取り、人間の文脈を理解しながら自然な文章を生成することができます。
そのため、ChatGPTでは下記のようなテキストの生成も行えます。
- 物語の創作
- 記事の添削・校正・要約
- 外国語の翻訳
- 人生相談・占い
- コーディング etc…
Chat-GPTの柔軟性と汎用性の高さは明白、今後も個人・法人を問わず活用されていくだろうね。
Chat-GPT APIの公開
2023年3月2日には、商用利用できる有料ChatGPT APIが公開された。他のサービスとの連携が可能になり、各社から差別化された新たなサービスが続々と発表されています。
APIとは「Application Programming Interface」の略で、簡単にいうと、ソフトウェアの機能を共有できる仕組みのことをさすよ。
APIを公開することで、いわばChatGPTを搭載した革新的なサービスが開発できるんだね。
ChatGPTは業界のビジネスモデルに革新的な変化を促し続け、今後もますます注目度を高めていくだろうね。たろう君も今のうちにしっかり勉強するんだよ。
ChatGPTのメリット
ChatGPTの一番の特徴は自然な対話を行える点ですが、その精度の高さが私生活やビジネスにおいて、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
作業を効率化できる
作業の効率化は、ChatGPTを活用する最大のメリットといえるでしょう。例えば、作業の中でも、「調べもの」って意外と時間がかかるものなのです。
オウケイウェイヴ総研の調査によると、一般的な会社員が「調べもの」に費やす時間は、1日平均1.6時間もあって、日本全体で1日当たり約1057億円分の賃金に相当するみたい…
その要因として、「知りたい情報が一箇所にまとまっていないこと」や、「知りたい情報がどこにあるか把握できていないこと」などが挙げられます。
ChatGPTでは膨大なデータを基にユーザーの検索意図を予測。仕事に限らず私生活においても、知りたい情報にいち早く辿り着くことが可能と言えるでしょう。
また、アイデア出しにもChatGPTは非常に有効です。例えば、「子供の好き嫌いをなくすためのアイデアを教えてください」とChatGPTに質問すると、下記のような回答が得られます。
手作り料理やプレゼンテーションなど、ChatGPTから7つの経費削減アイデアが提案されました。また、この中で気になるアイデアについて、さらに追加で質問すればどんどん制度の高い回答を得ることが出来ます。
このように、ChatGPTの活用により作業を効率化していくことで、コスト削減・利益率の向上・働き方改革の促進など、多様なメリットを享受できると考えられます。
自身のクローンとして活用する
ChatGPTは自身のクローンとしても活用できます。
例えば、メールなどで顧客から問い合わせがあった際は、顧客を待たせないように早い返信が大事ですが、状況によっては対応が遅れることもあるでしょう。
その点、ChatGPTを活用すれば、自身のクローンとして24時間365日顧客からの問い合わせ対応が可能になります。さらに、自然な文章かつ網羅的に回答できるため顧客がストレスを感じにくい点も、ChatGPTの魅力的なポイントと言えます。
個別化したスムーズな対応で顧客満足度が向上するだけでなく、リピート客の創出・売上の向上・販促費の削減などにもつながると考えられます。
Chat-GPTのデメリット・注意点
今や世界のトレンドとして活躍しており、すでに実績も申し分ないと言えるChatGPTですが、利用する上で注意しておきたい点も存在します。ここでは、ChatGPTのデメリット・注意点を見ていきましょう。
情報の正確性は保証されていない
前述の通り、ChatGPTはインターネット上の膨大なデータを基にユーザーからの質問に回答を返すため、情報の正確性は保証されていません。
古い情報や嘘の情報を返す可能性もあるので、情報源の一つとして位置付けすることが重要です。正確性を求める際は他の情報源も参照し、事実確認を行うことも必要となるでしょう。
基本的にはインターネット情報の扱い方と同じなので、情報の鵜呑みには注意ですね。
意図せず著作権を侵害する可能性がある
ChatGPTで生成された文章の著作権はOpenAIの利用規約によると、ユーザーが規約を遵守している場合に限り、ユーザーに著作権が譲渡されると記載されています。
生成された文章は自由に利用できると思いがちですが、もし得られた文章自体がニュース記事・文献などを基に生成されていれば、知らぬ間に著作権を侵害しているかもしれません。
得られた文章を私的に利用するのは問題ありませんが、利益目的で外部へ公開するのは避けたほうが良いでしょう。
アメリカでは、ある作家が「著作権で保護された自身の文章が許可なくAIの訓練に使用されている」として、損害賠償を求める訴えが起こっています…
学習した情報がやや古い
ChatGPT はインターネットに接続されていないため、情報の学習を定期的に行う必要があります。
実際、ChatGPTでは、2021年9月以降の出来事をあまり学習していない点が注意点として挙げられます。
しかし、質問の内容によっては2022年の情報も反映されて回答が返ってくる場合があります。
例えば、「今の首相は誰ですか？」と質問しても最新の情報は得ることはできません。
古い情報を話して上司に怒られちゃった…
情報は鮮度が命なので、この点は要注意ですね。この問題はChatGPTの拡張機能「WebChatGPT」を使えば解決できるので、気になる人はチェックしてみてね。
ChatGPTのまとめ
自然な言語処理で人間のような対話を行えるChatGPT。
その将来性は計り知れず、全職業の80％が影響を受ける言われています。中でも、エンジニア・ライター・会計士・翻訳家といった職業は影響を受ける可能性があるという研究結果もあり、新たな産業革命を起こしつつあります。
しかし、情報の正確性や意図しない著作権の侵害など、まだまだ課題・リスクが潜んでいるのも事実です。
今後、Chat-GPTがどのようにアップデートを遂げていくのか、また各産業にどのような影響を及ぼしていくのか、その動きに着目していきたいとおもいます。
コメント